研究室でのプレゼンや資料作成で使う図はいつも Inkscape を使って描いています.

個人的に研究で使う図は,

  • 四角
  • 矢印
  • 文字
  • 数式

が描ければ,だいたいいけると思っています.Inkscapeのすべての機能を使いこなす必要なんてないですし,ましてやデザイナーさんが使うような高いソフトなんか必要ないです.

導入

Linux

Linuxでは,たいていディストリビューションのリポジトリにパッケージが用意されていると思います.たとえば,

$ sudo yum install inkscape

とか

$ sudo aptitude install inkscape

でインストールできます.

OS X

OS XでInkscapeを動かすには,X11が必要です.以下の手順でインストールします.

  1. こちら のページからXQuartをダウンロードして,インストールします.
  2. Inkscapeを こちら からダウンロードしてきて,インストールします.

図形を描く

使う際に気をつけておくことは,Inkscapeは 単純な図形を組み合わせて 目的の図を描くソフト だということです.矢印スタンプとかニコちゃんマークとかそういうのはないのです.

たとえば矢印は,四角と三角を組み合わせて作りますし,

file:///home/fjyuu/Dropbox/blog/arrow.png

吹き出しも,四角と三角でできます.

file:///home/fjyuu/Dropbox/blog/balloon.png

以下のチュートリアルをやれば,十分目的の図形が描けるようになると思います.

他にもInkscapeの使い方をわかりやすく解説したサイト様がたくさんあるので,それらを参考にするといいと思います.

個人的によく使う機能

パスの統合
複数のオブジェクトを組み合わせるときに使います
オブジェクトのグループ化
複数のオブジェクトをひとつのオブジェクトとして扱いたいときに使います
オブジェクトの整列
オブジェクトを揃えるときに使います
フィル/ストロークの設定
線の種類や太さ,色などを変えるときに使います

数式を描く

理系の作図では,図の中に数式を含むこともあると思います.Inkscapeには LaTeXの数式 をオブジェクトとして取り込む機能があります.この機能を使うには,

  • LaTeX環境
  • pstoedit

が必要です.

LaTeX環境の構築

LaTeX環境の構築については,ググるといろいろ情報が出てくるのであまりここでは詳しく述べません.

Linuxでは, TeXLive公式 からTeXLiveをインストールするのがオススメです.また,TeXLiveがディストリビューションのレポジトリにある場合はそれを利用するのもお手軽かと思います.

OS Xでは, MacTeX を入れたりすればいいと思います.

pstoedit

LaTeXの数式をSVG形式にするためにpstoeditが必要です.

Linuxでは,

$ sudo yum install pstoedit

とか

$ sudo aptitude install pstoedit

でインストールできます.

OS Xでは,以下の手順でインストールします.

  1. Homebrew をインストールして使えるようにします.インストール方法については, こちら とかが参考になります.
  2. 以下を実行して,lxmlとpstoeditをインストールします.
    $ sudo easy_install lxml
    $ brew install pstoedit
    

LaTeX数式を使う

LaTeX環境とpstoeditがそろえば,メニューから [エクステンション]→[レンダリング]→[Latex 数式] で以下のように数式をオブジェクトとして取り込めます.英語メニューの場合は, [Extensions]→[Render]→[LaTeX formula] です.

file:///home/fjyuu/Dropbox/blog/inkscape-latex.png

画像のエクスポート

LaTeXで図を使いたいときなど,PDF形式やEPS形式で保存したい場合があると思います.

Inkscapeでは,普通に保存するとSVG形式で保存されます.他の形式にしたい場合は, [ファイル]→[コピーを保存] から,形式を指定して画像を保存することができます.

PNG形式などビットマップ形式で出力したい場合は, [ファイル]→[ビットマップにエクスポート] から,サイズなどを指定して保存します.

パラパラマンガ的な画像を作る

スライド資料などで,パラパラマンガ的に画像を使いたい場合,すべての画像の大きさが揃っているとラクです.

Inkscapeでは,ページサイズを調整して,画像保存のときに エクスポート領域をページにする ことで,出力される画像の大きさを制御できます.

ページサイズの調整は, [ファイル]→[ドキュメントの設定] から可能です.すべてのオブジェクトが入るように,自動でサイズ調整をすることもできます.

また,パラパラマンガ画像のように,似た画像を複数作るときには, レイヤー機能 を使うと便利です.